ゆうちょファイン○○号掲載
きょうこ
1960年、長野県生まれ。1982年、大学卒業。会社勤務を経て、1984年、ロックバンド「バービーボーイズ」のヴォーカルとしてデビュー。1992年、バービーボーイズ解散後はソロシンガーとして活躍している。
ミュージシャン
杏 子さん
 
あまり自分に厳しくしないで、
ときどき肩のチカラを抜いてごらん。
 ハタチと聞いて思い出すのは、大学の寮生活。朝7時に朝食、昼食も寮に戻って食べて、夜6時に夕食を食べたあとは、消灯の11時まで友だちとおしゃべりして…本当に校舎と寮のなかだけ、しかも女子大だったので女だけの生活。その環境がどうも不自然に思えて、「このままでいいのかな」って焦っていました。小器用に何でもそこそここなしてきたけれど、「これをできるのは自分しかいない」というものがなく、すべて中途半端なままで「どうしよう」っていう焦り。それで、外の世界と何かつながりを持ちたいと思って、大学2年生のときにライブハウスのオーディションを受けたんです。それに受かってからは、月に1度、ギターの弾き語りでオリジナル曲を演奏し、ステージに立っていました。毎回、なぜか高校時代の友だちが10人くらい集まってくれて、毎月同窓会みたいだったんですよ。それがいちばん楽しかったなぁ。
 音楽を職業にすることは考えていなかったので、大学卒業後は商社に就職しました。その頃のテーマは「いかにアマチュアで楽しく音楽を続けていくか」。それで、会社に勤めながらライブハウスでの活動を続けていくなかで、男性4人のバンド「バービーボーイズ」に出会ったんです。誘われてゲストで歌ったら、大いに盛り上がって。翌日、早速デモテープをつくってオーディションに応募したんです。それが、なんとグランプリ。それで、彼ら4人に「くっついて」デビューしたようなものです。
 いまの若い子というと、目立つ服装やお化粧の子ばかりがメディアで取り上げられるけれど、ファンの子たちと接してみると、抱えている悩みとか問題とか、私がハタチの頃とそれほど変わっていないですよ。問題意識が強くて、自分に厳しくて。私もそうだったからわかる。「もっとラクに考えたら」って言ってあげたいですね。
大学2年生のとき、寮のルームメイトたちと旅行した、式根島でのスナップ。「隣(左)に写っている友だちとは、社会人になってからも、一緒に住んでいたほどの仲よし。いまも連絡を取り合って、仲よくつきあっています」。
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